パットの、ほんとう

ショットとパットの調和

2013年のVISA太平洋は谷原秀人が勝ち、伊藤園Lは横峯さくらが勝ちました。

お二人の共通点はともに平均パット数ランクが1位、谷原は1.7342、横峯は1.7535です(いずれも11/19現在)。

但し、平均パット数はパットの巧拙を表す指標ではありません。

何故なら、ショットが良くてピン近くにパーオンさせれば、(短いファーストパットをすることになり)平均パット数は少なくなるからです。

ツアーのTV放送で、あたかもパットそのものの上手・下手を表すような誤解されやすい解説がありますので、注意が必要です(伊藤園の解説でもありました)。

真の巧拙を表す指標はPGAtourで採用しているStrokes Gained−Putting(パットの打数得点)で、その計算方法は→「巧拙指標の計算」です。

これがパットそのものの上手さを表しています。

谷原と横峯が勝ったのは、パットとショットの調和が良かったと言えます。

ピンに絡むショットで、パット距離の短いところに乗せて、そのパットを入れる。
結果的に平均パット数は少なくなるというわけです。

だとすれば、パーオンして1パットでカップインということになるので、バーディー数も多い筈ですね。
谷原は平均バーディー率=3.88(ランク6位)で、横峯のそれは3.6771(ランク2位)です。

昔からショットメーカーと言われる、ショットの特別に得意な選手もおられ(今でもそうですが)そういう選手がバーディー率が高いですが、これも勿論パットの良し悪しにはあまり関係はありません。

PGAtourでは、Strokes Gained−Puttingと同じ概念でStrokes Gained−Long game(Short game)という指標があるようですが、未だこれらのデータは開示されていません。

これは、例えば150ydsから何打でホールアウト出来るか、全選手の平均値(=ベースライン、パットのそれと同じです)との差からStrokes Gained−Puttingと同様に巧拙を表現するというものです。

開示できないのは、Strokes Gained−Puttingと同様、否それ以上にツアーの全選手のショットごとのデータを採るのは膨大な統計スタッフや機材・時間が必要だからでしょう(同じ理由で、Strokes Gained−Puttingを採用しているのは現在はPGAtourだけです)。

このような正確なSTATSの概念を提唱したDr.M・ブローディーによると、パットで大きな差が表れる(スコアに大きく貢献する)のは5ft〜15ft(1.5m〜4.5m)だそうです。

PGAtourでのデータによれば、1.5mを1パットで入れる確率は≒75%でそれより長くなると急減し4.5mでのそれは≒20%です。

ですから、この距離でパットをたくさん入れることが出来るようになれば、他の選手以上にスコアが良くなる、ということですから、納得できます。

なお、10mを超えるようなパットの入る確率は5%以下ですから、入ってもそれは「まぐれ」で全体的なスコアには大きく貢献しないということで、重さとしては小さいわけで、1.5m〜4.5mが鍵だということが理解できます。

今季好調の佐伯三貴が「大切なのは2m」というのは、こういう背景と合致しています。

ミドルパットをいかに入れるかがスコアの決め手(勝負を決める)、と言ったら言い過ぎでしょうか?

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